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【Serge Dagueneau et Filles:セルジュ ダグノー エ フィーユ】



1820年より続く家族の歴史を継承する造り手
セルジュ ダグノー エ フィーユは、1820 年の設立から 200 年以上続く家族経営 の生産者です。
ワイナリーは、プイイ シュル ロワールの北部に位置するサンタン ドラン村の小集落、レ ベルティエにあります。
現当主を務めるのはヴァレリー ダ グノーです。有名なディディエ ダグノーは親戚にあたります。
ヴァレリーの曾祖母 であり、ドメーヌの設立者でもあるレオンティーヌの時代には、牛や山羊の飼育や、 チーズの生産も行っていました。
当時の畑は 2〜3ha ほどでしたが、その後、祖父エ ミールがさらに葡萄を植え、1971 年に父のセルジュが引き継いだ時は 7ha にまで拡 大しました。
さらにセルジュの代には、18ha を所有するまでになりました。その後、 1990 年にヴァレリーがドメーヌを引き継ぎました。

4代目として活躍するヴァレリー ダグノー
ヴァレリーは、葡萄栽培の学位を取得した直後、1 シーズンの収穫のためにアメリカ に渡り、多くの新しいアイデアを持ってフランスに戻ってきました。
彼女の哲学は、 常に品質を追求し続けることです。シレックス土壌のスモーキーな特徴を表現した素 晴らしいプイイ フュメだけでなく、コート ド ラ シャリテの秀逸なシャルドネ やピノ ブーロ、ピノ ノワールのワインを手掛けています。
父のセルジュは大のト ラクター好きですが、ヴァレリーも自ら畑でトラクターを運転したり、葡萄をタンク から掻き出す「デキュバージュ」といった重労働も行なったりと、このドメーヌの責 任者として活躍しています。
「自分のワインなのだから、自分自身が手をかけて、自分 で葡萄の木を手入れして、自分でワインを造りたい」とヴァレリーは話します。
「曾祖母のレオンティーヌの時代は、彼女がこの辺りで初めてワインを造った唯一のワインメーカーでした。
その曾祖母が祖父と父にワイ ン造りを教え、父が私に教え、と代々受け継がれてきました。
私にとって、ワイン造りは家族の歴史であり、物語をつくるのと同じことで す。
昔から受け継がれていることと、近代設備とを利用して、ワイン造りを行っています。もちろん畑にも携わります。
これ以上は、生産 量も畑も増やすつもりはありません。仕事は大変ですが……、自然に携われるし、自由で解放的な気持ちになれるので苦にはなりません」。
また、ソーヴィニヨン ブランは、現地では「フュメ ブラン」と呼ばれていますが、これについては「香水(Parfum)から来ているの ではないかと思っています。
本当はラベルにも“ブラン フュメ ド プイイ シュル ロワール”と書きたいところだけど、それは長すぎ るものね」と笑っていました。


プイイ フュメの中でも最も良いとされるシレックスの土壌
サンタンドラン村は、プイイ フュメを産出するエリアの中でも最も良いと言われるシ レックス土壌があるとされています。
この土壌が、プイイ フュメに典型的な火打ち石 のアロマやミネラルをソーヴィニヨン ブランにもたらすといわれており、事実、ヴァ レリーが造るプイイ フュメには、スモーキーなミネラル感が備わっています。
シレッ クスの他に、シャブリで有名な小さな牡蠣の化石を含むキンメリジャンを畑の中に見る ことができます。
葡萄栽培はリュット レゾネで、特にオーガニックの認証は取得して いませんが、無農薬栽培を行っています。
また、除草剤は一切使わず、土を掘り返しま す。病害対策として銅と硫黄を撒くことがありますが、規定に縛られないようにしてい ます。
「ビオディナミ認証を取得してしまうと、雨が降るたびに毎回銅と硫黄を撒かな ければなりません。私は常に畑に出向いているため、自然を害するような化学肥料などは一切使用しません。
規定に縛られず、自由な選択 の余地を残すようにしています」とヴァレリーは話します。

ベネディクト派の大修道院によって開発され、フィロキセラ禍によって失われたかつての銘醸地
セルジュ ダグノー エ フィーユでは、プイイ フュメの他に、「コー ト ド ラ シャリテ」のワインを手掛けています。
葡萄畑は 3ha で、 コート ド ラ シャリテのレ モンテ ド サン レイに位置してい ます。
コート ド ラ シャリテは、ロワールとブルゴーニュの間に広が る IGP で、中世にベネディクト派の大修道院によって開発されたかつて の銘醸地です。
ワインはフランス国内のみならず、ヨーロッパ各地に輸送 されましたが、パリや、ブルゴーニュ公の宮廷で最もよく振る舞われたと されています。
19 世紀初頭の最盛期にはおよそ 1,300ha ほどの栽培面積を誇りましたが、フィロキセラ禍によって壊滅的な被害を受けた ことで、失われた産地となっていました。
1980 年代にようやく復興が始まり、1986 年には「ヴァン ド ペイ ド コトー シャリト ワ」の名称が誕生し、2011 年に、IGP コート ド ラ シャリテとして認定されました。
ピノ ノワール、シャルドネ、ピノ グリな ど、ブルゴーニュ系の品種が多く栽培されています。
ヴァレリーはコート ド ラ シャリテについて、「ブルゴーニュに似た土壌で、ブ ルゴーニュよりも涼しいエリアです。
父のセルジュは赤ワインを造るのを夢見ていましたが、プイイ フュメでは造ることが出来ません。
コート ド ラ シャリテなら造れるため、小さな区画しか持っていない農家の方と、友人と一緒にワインを造り始めました。
ブルゴー ニュ的なスタイルの繊細なピノ ノワールを目指しています。バランスの良いタンニンがあるのが特徴です。
また、このエリアのワインを 造り始めたのは赤ワイン造りのためですが、シャルドネを植えてみたところ良かったので、白ワインも造っています」と話してくれました







FD−094 2022 Pouilly Fume
  Tradition
プイィ フュメ トタディション 750ml 
《白》【辛口】生産者:セルジュ・ダグノー家
葡萄品種:ソーヴィニオン・ブラン 
葡萄園面積:16ha 
平均樹齢:42年(1980年植樹)                
年平均生産量:90,000本

熟成:シュール リ、マロラクティック発酵は無し

様々な区画のブレンドから造られています。
粘土質石灰岩土壌とキンメリジャン泥灰土壌(海の泥と小さな牡蠣の殻の集合体)です。
収穫は手摘みと機械摘みが半分ずつです。発行前に24時間靜置し、不純物を除きます。

ステンレスタンクで低温(18〜20度)に保ち発酵させ、アロマを引き出しています。マロラクティック発酵はせず、澱とともに週に一度撹拌しながら1月まで置きます。
清澄し、酒石を除いて5月に瓶詰めします。
澄んだ鮮やかな緑がかった黄色。アカシア、エニシダ、柘植の花と、マルメロのブーケ、丸みがありやや重く、典型的な火打ち石にも似たスモーキーなフレイバー、
フィニッシュに非常に心地よい酸味のバランスがあります。

                            5,170円(本体価格4,700円)









FC−740 2018 Cotes de la Charite Pinot Noir Les Montees de St Lay
コート ド ラ シャリテ ピノ ノワール レ モンテ ド サン レイ 750ml  
《赤》【フルボディ】
等級:I.G.P.
葡萄品種:ピノ ノワール100%
畑面積:2ha
平均樹齢:25年

土壌は粘土とチョークに鉄分の混ざる土壌です。葡萄は手摘みで収穫します。
選別し、除梗します。収穫量は35hl/ha。
アルコール発酵は約10〜15日、その間、毎日ピジャージュとルモンタージュを行います。
熟成は、フレンチオークで10〜12ヶ月間、全体の5〜10%に新樽を使用します。
チェリーやカシスの華やかなアロマに、樽からのロースト、スパイスのニュアンスが混ざり合っています。
素晴らしくエレガントでバランスの取れた味わいです。

       3,630円(本体価格3,300円)










FB−750 2019 Pouilly Fume Les Filles
プイイ フュメ レ フィーユ 750ml  
《白》【辛口】生産者:セルジュ・ダグノー家
葡萄品種:ソーヴィニオン・ブラン 

熟成:ステンレスタンク 80%、新樽 20%で約 16 ヶ月

「レ フィーユ=娘たち」という意味のトップ キュヴェで、セルジュの二人の娘、フロランスとヴァレリーを示してい ます。
生産量はわずか 1,500 本です。良い年にしか造りません。ボトリティス菌が発生した過熟気味になった状態の葡 萄を手作業で選別しながら収穫します。
これにより、辛口のワインでありながら、貴腐ワインのようなニュアンスが感 じられるようになります。
マルメロのジャムを思わせる煮詰めたフルーツのアロマの中に、スパイシーなローストの香 りが混ざっています。
たっぷりとリッチな口当たり、長い余韻があります。畑面積は 0.3ha で南、南東向きです。
土壌 は 50%がシレックス、50%がキンメリジャン泥灰岩で、収穫量は 35hl/ha です。
収穫後すぐにプレス、澱引きを行い、 全体の 80%をステンレスタンク、20%を新樽(ニエーヴル産)に入れ発酵させます。
マロラクティック発酵の後、樽と ステンレスタンクのワインをそれぞれ約 16 ヶ月熟成させます。
翌年の 2 月まで週 1 回バトナージュをします。ボトリ ング前にブレンドを行い、清澄も濾過もせずそのまま瓶詰めします。

                     13,200円(本体価格12,000円)