スイスを代表するワイン産地“デザレィ”のブドウ畑は，レマン湖畔の北東部に面した斜面に拡がる。時は1142年。ローザンヌの司教 ギィ・ド・マリニィの命により，僧侶たちがこの“デザレィ”の地を訪れた。彼らは，「祈り，そして働け・・・」というスローガンのもと，つるはしや鋤を手に取り，未墾の大地を耕し始めた。マリニィ，そしてオ・クレー修道院に在籍していた僧侶たちはブルゴーニュ出身のシトー派に属していたため，彼らが植樹したブドウ樹はブルゴーニュからもたらされたもの，それも，クロ・ド・ヴージョやプイィのブドウ樹であることが確認されている。
13世紀になると，僧侶たちは畑の耕作を農夫たちに一任。14世紀中盤，オ・クレー修道院が所有するデザレィブドウ園は30人ほどの小作人を抱えていたと伝えられている。ここからラヴォー地区におけるブドウ栽培が始まり，やがて近隣の村から村へと拡がり，今日あるデザレィの礎が築かれた。
東にリヴァ，西をエペスの村に囲まれるようにして佇むデザレィは，ローザンヌとヴェヴェイの中央に位置し，ブドウ畑がピュイドゥの村全域に拡がる。テラス状に拡がるデザレィのブドウ畑は，「太陽」と，「熱を蓄積する石垣の熱」，そして「鏡のように太陽の光を反射するレマン湖」の恩恵に浴し，極めてワイン造りに適った土地柄とされる。
1538年の記録に拠ると，テチュ一族はリュトリー，シェザール・シュール・ロロン，エペス，そしてキュリーに醸造を設立し，ピュイドゥに農園を築いた。1845年にはルイ＝ジェルベール・テチュがエペスで甥のシャルルと共にワインの商いを開始，シャルルはトレィトランにカーヴを設けた。彼は樽詰めのワインを販売していたが，瓶詰めワインの存在を知り，ワインのボトリングに踏み切った。また，1868年にはドイツで製造された濾過器をスイスに持ち込み，瓶詰めワインが主流となった19世紀後半に，濾過器をいち早く導入した。やがて，国際級のホテルを中心に，ジュネーヴやベルン，バーゼル，エヴィアン，シャモニー，エクス・レ・バンなどの大きなレストランにもワインを納めるようになった。その後，シャルルの2人の息子がラヴォー地区のワインの普及に努め，現在ワイナリーの運営に携わるジャン＝フィリップは他国のワインを輸入して販売するなど，メゾン・テチュは常にスイスのワイン業界を牽引している。
〔補足1〕 現在，メゾン・テチュが取り扱っているスイス・ワインは70種類にも及ぶ（ヴォードワ及び他の地区で造られる18アペラシオン）。また，フランス，オーストリア，スペイン，南アフリカ，カリフォルニア，チリからプレステージの高いワインを輸入，スイス国内で販売している。
〔補足2〕 メゾン・テチュは，スイスで唯一，ミリアム・ブロッジと共に顧客へのサーヴィス・サポートを行っている。ソムリエール，そしてワイン・コンサルタントであるミリアム・ブロッジは1987年にはソムリエスイス一に，1994年のリュイナール杯でヨーロッパ最高のソムリエに選出，また，国際コンクールでは審査員の1人として名を連ね，会員数600名を誇るスイス・ソムリエ協会会長の要職にある。プロ，アマを問わず，ワインやテイスティングのセミナー，カーヴやワイン・リストの監修などを手掛けている。
ペイ・ヴォードワ（ヴォー地区）のヴィニョーブル
ラヴォー地区／Lavaux（面積：800ヘクタール）
〔歴史〕
西暦1000年には，既にヴォー地区全域でブドウの栽培が行われていた。ヴォー地区は勾配が険しく，デザレィもご多分に漏れず，畑の開墾に困難を極めた。未開墾のデザレィの地をローザンヌの司教から託されたモンテロンとオー・クレ修道院の僧侶たちは，超人的な仕事ぶりでこのデザレィを開墾したと伝えられる。現在，デザレィの区画ではブドウ樹よりも土の流出を防ぐ目的で造られた石垣が目立つ。
〔クリマ〕
ラヴォー地区の丘陵地は，ブドウ樹，テラス，湖に続く低い石垣を含む素晴らしい景観を抱く。ブドウ畑にもたれるようにして連なる斜面は，ブドウ樹を北風から守っている。年間の日照時間は1,800時間。＜ラヴォーには3つの太陽がある・・・＞と言われているように，ブドウ樹は夜間も，太陽の日射に加えて，湖からの反射光，そして石垣に蓄えられた熱を享受している。その結果，ラヴォー地区で造られるワインは，より芳醇でコクがあり，フルーティーさが際立っている。
〔アペラシオン〕
ラヴォー地区のアペラシオンは，リュトリィ／Lutry，ヴィレット／Vilette，エペッス／Epesses，サン・サフォラン／Saint-Saphorin，シャルドンヌ／Chardonne，ヴェヴェイ／Vevey，モントルー／Montreux。また，ラヴォー地区のグラン・クリュは，デザレィ／Dezaley及びカラマン／Calaman（エペッスのグラン・クリュ）の2つ。
〔セパージュ〕
主要品種はシャスラーで，ラヴォー地区の真髄を発揮している。赤は，極僅かだが，ガメィ及びピノ・ノワールが栽培されている（棚造り）。また，アリゴテ，シャルドネ，ピノ・グリ，リースリング・シルヴァナー（ミューラー・トゥルガウ）も栽培されているが，生産量は極めて少ない。
２００９ Ｃｈａｓｓｅｌａｓ ｄｕ Ｐａｙｓ Ｒｏｍａｎｄ
シャスラ デュ ペイ ロマン ７５０ｍｌ 《白》【辛口】生産者：ドメーヌ ジャン エ ピエール テチュ
葡萄品種：シャスラ１００％
立地：ラヴォー地区（ヴォー地方）
標高：平均して３８１メートル
格付け：ヴァン・ド・ペイ
土壌のタイプ：礫岩の上に厚いローム（砂、粘土）が広がる。この土壌から造られるワインは、ミネラルに飛んだ、火打ち石のような香りを感じる事が出来る。
醸造：ステンレスタンク。マロラクテック発酵
薄いゴールドのローブと、果実や花を思わせる心地よいアロマを持つ。ほのかな甘みと、引き締まった酸味が特徴。
ラベルに描かれているように「チーズ・フォンデュ」や「ラクレット」などのチーズ料理に最適のワインです。
３，２４０円（本体価格３，０００円） 円高の影響により価格がお安くなりました！
ごめんなさい、只今品切れ中（２０１９年３月２４日）です。次回入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。２００９ Ｅｐｅｓｓｅｓ Ｃｏｕｐ ｄｅ ｌ´Ｅｔｒｉｅｒ
エペス クー ド レトリエ ７５０ｍｌ
《白》【辛口】生産者：ドメーヌ ジャン エ ピエール テチュ
葡萄品種：シャスラ１００％
〔ヴォー州，ラヴォー地区〕
ヴォー州のラヴォー地区の丘陵地は，ブドウ樹，テラス，湖に続く低い石垣を含む景勝地。ブドウ畑にもたれるようにして連なる斜面はブドウ樹を北風から守っている。
年間の日照時間は1,800時間。「ラヴォーには3つの太陽がある・・・」と言われているように，ブドウ樹は夜間も太陽の日射に加え，湖からの反射光，そして石垣に蓄えられた熱を享受している。
この結果，芳醇でコクがあり，そしてフルーティーさが際立つワインが生まれる。
〔デギュスタシオン〕
パワフルでフルーティーさが際立つアロマが感じられる。穏やかなストラクチャーが口蓋を優しく包み込み，また，余韻の長さには素晴らしいものがある。
この土地特有のローム（粘土，砂）で育まれたシャスラの真価が如何なく発揮された上質の白。
因みに，クー・ド・レトリエ／Coup de l'etrier”とは別れの盃の意。サーヴィスは7−9度で。
４，８６０円（本体価格４，５００円）
ごめんなさい、只今品切れ中（２０１９年３月２４日）です。次回入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。２００９ ＳａｉｎｔＳｐｈｏｒｉｎ Ｒｏｃｈｅ Ｒｏｎｄｅ
サン サフォラン ロッシュ ロンド ７５０ｍｌ
《白》【辛口】生産者：ドメーヌ ジャン エ ピエール テチュ
葡萄品種：シャスラ１００％
フルティーでミネラルの香りは、土壌の石灰に由来するもの。コクがあり、たっぷりと飲み応えがあるワインです。
後口に、石灰の効果で、舌を微かにチクチクと刺激する感覚があります。
サービス温度： 7℃〜9℃の間で
理想的な熟成期間： 1〜3年
ペアリング： チーズ料理、テリーヌ、ガランティーヌ、ローストチキン、ハードタイプおよびウォッシュタイプチーズ
４，８６０円（本体価格４，５００円）
ごめんなさい、只今品切れ中（２０１９年３月２４日）です。次回入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。２００７ Ｄéｚａｌｅｙ Ｇｒａｎｄ Ｃｒｕ Ｌ｀Ａｒｂａｌèｔｅ
デザレィ ラルバレット グラン クリュ ７５０ｍｌ
《白》【辛口】 生産者：ドメーヌ ジャン エ ピエール テチュ
葡萄品種：シャスラ１００％
