ワインショップ飛附屋フランスワインドメーヌ ブレル

【Domane Boehler:ドメーヌ ブレル】

ドメーヌ ブレルは、アルザス北部・バ=ラン県の首都ストラスブールから、西に約 25km 進んだ位置にあるモルスハイム村の家族経営のドメーヌです。
現在は、7 代目にあ たる 29 歳のジュリアン ブレルがワイナリーを引き継いでいます。
ジュリアンは、ディ ジョンの大学で葡萄、ワイン、テロワールの修士号を取得後、シャトー シュヴァル ブラ ンなど国内外のワイナリーで経験を積みました。
2016 年から実家であるドメーヌ ブレ ルに戻り、2018 年には両親から正式に経営を引き継ぎました。
同年、葡萄栽培をオーガ ニックへと転換し、2021VT からは有機認証(AB マーク)が取得できる予定です。
ジュリアンは、モルスハイムのテロワールやヴィンテージの特徴を、ありのままにワイ ンにしています。
発酵の際には、あらかじめ一部の葡萄を収穫して潰しておき、果皮に付 着する天然酵母によって自然発酵させ、それをスターターとしてプレス果汁に加えてい ます。
収穫については、糖度が十分に上がっていたとしても、葡萄が最大限にアロマを発 揮できるように、フェノールが成熟するのを待ちます。
そのため、ワインのアルコール度 数が高くなる年もあります。
しかしジュリアンは、これこそがナチュラルで、テロワール のありのままの姿を映したワイン造りだと考えています。


ブレル家の歴史と変遷
ブレル家のルーツは 17 世紀までさかのぼることが出来ます。
後の 18 世紀に は、アントワーヌ ブレル(1759-1827)が、モルスハイムの高台にある “Oberes Bruderthal オーベレス ブリュデルタール”に最初の畑を手に入れ ました(oberes はトップ、頂上を表す)。
アルザス グラン クリュに格付けさ れるこの区画は、現在もブレル家が誇りを持って葡萄を栽培しています。
ブレル家は、長年ワインを生産せずに、栽培した葡萄はバルクで販売していま した。
大きな転機が訪れたのは 1970 年代の初めです。ジュリアンの祖父ポール が自家元詰めを始め、今日のドメーヌの基盤をつくりました。
当時は「ブリュデ ルタール」を中心とした3ha の畑で葡萄栽培を行っていました。
また、この時 代に隣村ミュツィグの「オルダーフルスト(Horderhurst)」の区画の一部を手 に入れました。
当時はまだ葡萄栽培のみではなく、混合農業を行なっていました。
1992 年、ジュリアンの両親がドメーヌを引き継いだ際に、葡萄栽培に専念することを決断しました。
この時からドメーヌの規 模を徐々に広げ、醸造設備の刷新を行い、また所有する畑を増やしていきました。
先見の明があった彼らは、まだそれほど多くの 栽培農家がリュー ディに対して大きな関心を示していなかった時に、「ファン(Pfann)」、「ライメン(Leimen)」、「ハネンベル ク(Hahnenberg)」の区画を所有することが出来ました。
その結果、引き継いだ時にはわずか 3ha だった畑は、8ha にまで広が りました。
そして 2016 年、ディジョンの大学を卒業し、様々な地で経験を積んだジュリアンがドメーヌに戻り、2018 年には正 式に両親から引き継いでオーナーとなり、現在に至っています。

ジュリアンのワイン造りの哲学
テロワールが持つスタイルをそのまま醸造する ジュリアンは、それぞれの葡萄畑が持つテロワールや、 ヴィンテージの特徴をありのままに映し出すようなワイ ンを造りたいと考えています。
葡萄が持つポテンシャルを 最大限に発揮出来るようフェノールの成熟を待つため、ア ルコール度数は高くなります。
例えば、今回入荷したシル ヴァネール、ピノ グリ、ゲヴュルツトラミネールのアル コール度数は 15%です。
しかしながらワインの味わいは素晴らしく、美しくバラ ンスが取れています。ジュリアンは、モルスハイムのテロ ワールについて「ワインの背骨となる、しっかりとした酸 をもたらします」と教えてくれました。
このテロワールが あるからこそ、バランスの取れた味わいが得られるのだと 実感させられます。
収穫は全て手摘みです。
発酵の際には、あらかじめ小量 の葡萄を潰しておき、天然酵母で自然発酵した果汁をスタ ーターとして使用します。
SO2 は、偉大なアルザス ワイ ンとしての均衡を得るために、必要な時にのみ使用します。

ジュリアンは、「私にとって、ワイン造りで最も大切なものは畑です。ワインメーカーは畑に出て、テロワールを理解し、個々の ヴィンテージを感じる必要があります」、
「偉大なテロワールを表現したワインにするには、ワインをあるがままに任せることです」 と語ります。
畑は細かい区画に分かれ、それぞれが異なる多様性を持っています。
ジュリアンは、個々の区画、土壌の特徴を見て、 それぞれの個性をワインに表現したいと考えています。


主な小区画(リュー ディ)について
ドメーヌ ブレルの所有する畑は 8.7ha で、標高は 200〜320m、葡萄の 平均樹齢は 25 年、栽植密度は 5,000 本/ha です。
畑の向きはほとんどが南 東向き、場所によっては東南向きとなっています。
土壌の組成は大きく分け ると 50%が粘土、50%が石灰岩です。
区画は細かく 40 にも分かれており、 モルスハイムとミュツィグの2つの村に点在しています。
  

 
「畑仕事で重要な点は、注意深く観察すること。 そして常識的な判断力を持つことです」
葡萄畑は、ジュリアンが引き継いだ 2018 年からオーガニックに転換しました。有機 認証(AB マーク)が、2021VT からラベルに表示できる予定です。
ジュリアンは、畑の 管理において重要な点は、「畑を注意深く観察すること。そして常識的な判断力を持つこ と」だと考えています。
畝の間には 1 列おきに自然の草を生やしています。目的は、畑 の生物多様性を保つためです。
そして、土中に水分を供給するためでもあります。
また、 畑の周辺には森や林といった自然環境を残し、様々な生物が生息出来るようにしていま す。
畑は耕して土を柔らかくし、空気を含ませます。これにより葡萄の根が順調に伸び、 栄養分を充分に地中から吸収できるようにしています。
草を刈り取る、または残すという判断は、畑の状況を見極めながら行いま す。
たとえば、夏に雨が多く降った場合は草を刈り取ります。逆に雨が降らず、暑い夏の場合は、土に水分が供給されるように草 を生やしたままにしておきます。
こうした点で、観察と判断が問われます。
ジュリアンは、畑作業で最も重要な作業として、「剪定」を挙げています。
収量を制限するため に、1 本の枝についている芽の数を半分にします。
非常に手間がかかりますが、こうすることで 葡萄の房の数が減り、高い集約を得ることが出来ます。
また、夏の間に葉が密集し過ぎないよう に風通しを良くし、病害の発生を防ぎます。収穫をはじめ、芽掻きや誘引など畑作業のほとんど を手作業で行っています。
「手作業で畑の手入れをすることは、畑をより良い状態に保つために、 とても重要なことだと考えています。」


「分析の数値よりも、自分自身の味覚を信じています」
葡萄の収穫はすべて手摘みで行います。収穫のタイミングは、フェノール類が成熟した時で す。
種が茶色になり、葡萄の果皮が薄くなって、アロマが最大になるタイミングを見極めてい ます。
そのため、収穫の 3 週間前から畑に入って、実際に食べて味を見て、これでいいと確信 できたときに収穫を決めています。
収穫した葡萄はすぐにセラーに運び、除梗、破砕せず、全房 圧搾を行います。
品種や区画によって異なりますが、4〜12 時間ほどの時間をかけてゆっくり とプレスします。
最初に搾った果汁はとても甘くて複雑な味わいですが、最後に搾った果汁は、 特に乾燥したドライなヴィンテージではビターな味がすることもあります。
このため、最初と 最後のプレスジュースは、混ぜずに別々に醸造しています。
果汁は重力を利用してタンクに移 します。 発酵は葡萄の果皮についている天然酵母で行います。
収穫の 3〜4 日前に摘み取った葡萄を 潰して自然発酵させ、それをプレス果汁に加えています。
すべてのワインはゆっくりと時間を かけて発酵させます。発酵温度は 22 度を超えないようにコントロールしています。
アルコール 発酵後、マロラクティック発酵を行います。その後、すべての澱と一緒に 11 ヶ月から 18 ヶ月 ほど熟成させます。ボトリングの前まで澱引きはしません。

若木の葡萄で仕込むワインは品質が低いと考えているため、自社で瓶詰せずにバル クで売ってしまいます。
その比率は全生産量の 10%を占めているため、自社で瓶詰 めするワインは年間 3〜4 万本ほどしかありません。
こうした妥協のない姿勢が、ワ インの美味しさに結び付いています。
「粘土と石灰岩で構成されているモルスハイムのテロワールは、ワインの背骨となるし っかりとした酸をもたらしてくれます。
ワインメーカーの仕事は、その背骨に肉付け をしてあげることだと考えています。
ワインにボディを与えるため、澱引きをせず(シ ュール リー)、マロラクティック発酵を行っています。
ワインの安定性と一貫性を保 つためにフィルターをかけ、同じ週にボトリングします」。




FC−472 NV Cremant d´Alsace Blanc Brut
クレマン ダルザス ブラン ブリュット 750ml 
《白》【辛口・発泡】
等級:A.O.C.
葡萄品種:ピノ ブラン38%、オーセロワ37%、シャルドネ25%
熟成:樽で12〜18ヶ月
Alc.13%

クレマンには3種類の葡萄をブレンドしています。
ピノ ブランはフレッシュさ、シャルドネはボディ、そしてオーセロワは しなやかさと丸みを与えてくれます。
3 種類の葡萄は同じ畑で栽培していますが、畝がそれぞれ別になっているため、厳密に いえば混植ではありません。
畑の標高は 200〜220m、平均樹齢 20 年です。
手摘みで収穫した葡萄はすぐにセラーに運びま す。約3時間かけてやわらかくプレスします。
ベースワインの発酵は葡萄の果皮に付いている天然酵母を使い、ステンレスタ ンクで行います。
収穫の翌年の春まで澱と共に寝かせます。その後、瓶に移し替えて瓶内で二次発酵させます。
ボトルで 12 〜18 ヶ月熟成させています。ドザージュを控えめにすることで、きりりとした味わいの辛口に仕上げています。
残糖は 2.7g/ Lです。開けてすぐに美味しさが感じられます。
ラベル表示はありませんが、2019VT の葡萄を使用しています。
2019VT の生 産量は 5,400 本です。

               3,300円(本体価格3,000円)




 
FC−477 2019 Hahnenberg Riesling
ハネンベルク リースリング 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:リースリング
熟成:澱と共にステンレスタンクで熟成
Alc.14%

モルスハイム村のリュー ディ「ハネンベルク=雄鶏の山」は東向きの 斜面に位置しています。
土壌は表土の薄い白亜を含む石灰岩で、たいへ ん水はけのよい場所です。
標高は 220〜270m、葡萄の平均樹齢は 30 年 です。
非常に痩せた土壌の急斜面のため収量は 17hL/ha とたいへん低い ですが、非常に透明感のあるリースリングが出来ます。
手摘みで収穫し た葡萄は 10 時間ほどかけてゆっくりと圧搾します。
発酵は葡萄の果皮についている天然酵母を使い、ステンレ スタンクで行います。
温度は 22 度以下にコントロールします。アルコール発酵後、マロラクティック発酵を行い ます。
熟成もステンレスタンクで、収穫の翌年の 4 月まで澱と共に寝かせます。
2019VT の生産量は 2,000 本。
★「ラ ルヴュ デュ ヴァン ド フランス 2021.6」で 93 点。

                  3,630円(本体価格3,300円)







FCー478 2019 Pfann Pinot Gris
ファン ピノ グリ 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:ピノ グリ
熟成:228Lのブルゴーニュ樽(古樽)で、澱と共に熟成
Alc.15%

モルスハイム村のリュー ディ「ファン」はシェーファーシュタインの中の小区画です。
標高は 200〜 220m、葡萄の平均樹齢は 28 年です。マールを含む粘土質土壌です。
昼夜の気温差が大きいため、葡萄 の成熟は非常に早いのが特徴です。手
摘みで収穫した葡萄は 12 時間をかけてゆっくりと圧搾します。
発酵は葡萄の果皮についている天然酵母を使い、ステンレスタンクで行います。
温度は 22 度以下にコ ントロールします。アルコール発酵後、マロラクティック発酵を行います。
熟成は 228L のブルゴーニ ュ樽(5 年から 7 年使用の古い樽)で、収穫の翌年の 8 月まで澱と共に寝かせます。
水分が十分に供給 される粘土質土壌と独自のミクロ クリマがふくよかで力強いワインを生みます。
自然なやわらかさが あるため、若いうちから楽しむことが出来ます。
2019VT の生産量は 1,100 本です。

              3,520円(本体価格3,200円)





FC−476 2019 Leimen Sylvaner
ライメン シルヴァネール 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:シルヴァネール
熟成:フードルで澱と共に熟成
Alc.15%

モルスハイム村のリュー ディ「ライメン」は、斜面の上部に位置し、
土壌はマールを含む粘土質で、 保水性が高く、冬に降った雨をしっかりと蓄積します。
この土壌からはふくよかで丸みがあり、それで いてみずみずしく、若いうちから楽しめるワインが生まれます。
標高は 260〜300m、葡萄の平均樹齢 は 45 年です。
手摘みで収穫した葡萄は 4 時間半ほどかけて圧搾します。
発酵は葡萄の果皮についてい る天然酵母を使い 1300L のフードルで行います。
温度は 22 度以下にコントロールします。
アルコール 発酵後、マロラクティック発酵を行います。
熟成は澱と共に同じフードルで収穫の翌年の 8 月まで行 います。
2019VT の生産量は 2,000 本です。

                2,750円(本体価格2,500円)





FC−474 2019 Pinot Blanc Saint Georges
ピノブラン サン ジョルジュ 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:ピノ ブラン60%、オーセロワ40%
熟成:3100Lのフードルで澱と共に熟成
Alc.14.5%

モルスハイム村にある複数の区画の葡萄をブレンドして造られます。
アルザスでは、ピノ ブランとオーセロワのブレ ンドワインは、ピノ ブランとしてラベル表示することが出来ます。
畑の標高は 220〜330m、平均樹齢は 30 年です。 土壌は 50%が粘土、50%が石灰岩です。
手摘みで収穫した葡萄はすぐにセラーに運び、除梗せずに4時間半ほどかけ てプレスします。
葡萄の果皮由来の天然酵母を使い、3,100L のフードルで 22 度以下で発酵させ、マロラクティック発 酵を行います。
熟成は澱と共に同じフードルで収穫の翌年の8月まで行います。しなやかな口当たりでバランスがとれ ています。
2019VT の生産量は 4,000 本です。

                2,530円(本体価格2,300円)








FC−475 2018 Gewurztraminer Saint Georges
ゲヴュルツトラミネール サン ジョルジュ 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール
熟成:2530Lのフードルで澱と共に熟成
Alc.15%

モルスハイム村とミュツィグ村の畑の葡萄を使用しています。
標高は 210〜320m、葡萄の平均樹齢は 35 年です。
土 壌は 65%が粘土、35%が石灰岩です。手摘みで収穫した葡萄は除梗せず 12 時間かけてゆっくりと圧搾します。
葡萄 の果皮由来の天然酵母を使い、2,530L のフードルで 22 度以下で発酵させ、マロラクティック発酵を行います。
熟成は 澱と共に同じフードルで収穫の翌年の春まで行います。
この品種に特徴的なライチやバラ、スパイスを思わせる豊かな アロマが広がります。
力強いボディがあり、やや甘口のリッチな味わいです。
2019VT の生産量は 3,200 本です。

                3,300円(本体価格3,000円)





FC−473 2021 Molse
モルス 750ml  
《白》【辛口】
等級:A.O.C.
葡萄品種:ピノ ブラン50%、ピノ グリ35%、シルヴァネール10%、ミュスカ5%
熟成:ステンレスタンクで澱と共に熟成
Alc.13.8%

畑の標高は 200〜330m、平均樹齢 25 年です。
土壌は 50%が粘土、50%が石灰岩です。
手摘みで収穫した葡萄はすぐ にセラーに運び、除梗せずに4時間半ほどかけてプレスします。
葡萄の果皮由来の天然酵母を使い、22 度以下でステ ンレスタンクで発酵させ、マロラクティック発酵を行います。
収穫の翌年の6月まで澱と共に熟成させます。
2019VT の生産量は 2,400 本です。

            2,530円(本体価格2,300円)