ワインショップ飛附屋・トップフランスワイン・ブルゴーニュコート ド ニュイジャイエ・ジル

【JAYER­GILLES:ジャイエ ジル】

オート・コートの第一人者

ブルゴーニュの醍醐味は、なるほどテロワールということになるのだが、同時に数多あるドメーヌの個性も大きな魅力のひとつ。このジャイエ=ジルはそんなつくり手の持ち味を存分に愉しめるドメーヌの最右翼。11ヘクタールほどの広さの半分以上を占めるのは、オート・コート・ド・ニュイとオート・コート・ド・ボーヌの赤、白で、ヘタなネゴスのプルミエ・クリュなど顔負けの凝縮感に富んだ風味、味わいのワインを生んでいる。

ドメーヌはコート・ド・ニュイの最南端、位置的にはオート・コート・ド・ニュイとなるマニ=レ=ヴィレールの村に位置し、40代後半になるジル・ジャイエが取り仕切る。父のロベールは、神話的存在となりつつあるアンリ・ジャイエのいとこにあたり、また戦後DRCにおいて、故アンドレ・ノブレとともにワインづくりに従事していた経緯がある。

新樽100パーセントで熟成されるワインは、それに耐えられるだけのしっかりした構造を備えている。突出はしていないものの全体を支える酸に、タンニンはじめ各要素の構成は緻密。つくりではSO2をムーおよびマロラクティークが終了した段階でごく少量添加するのみだが、そのマロ=ラクティークも自然に終了させるため、1年半前後もかかることもしばしば。そしてコラージュもフィルターもなしで、オリ引きを瓶詰め前に1回おこなうだけ、というのがジャイエ=ジルのやり方。以前に較べると、より果実味が感じられるつくりに変化してきた。

グラン・クリュはエシェゾーのみとなるが、所有している区画のクオリティは高い。37ヘクタール強の広さがあるエシェゾーでは、クロ・ヴージョほどでないにしろ、パーセルの優劣が生じる。ジャイエ=ジルがもつのは、ラベルにも記されているように、エシェゾー・デュ・ドシューと呼ばれる、グランゼシェゾーのすぐ上という絶好の区画。熟成も他のワインはアリエ産の樽でしつけるが、このエシェゾーにはトロンセー産を使用。

ニュイのプルミエ・クリュ、ダモードとともに上記エシェゾーは、通常では手にいれるのが非常に難しい銘柄――エシェゾーで0.5ヘクタール、ダモードは0.1ヘクタールという広さしかない――。そこでジャイエ=ジルの味わいを愉しむには、オート・コートの各ワインの出番となる。熟した果実に新樽の風味が寄り添い、色濃く、凝縮感がありながらも滑らかな口当たりの赤は、ドメーヌのただならぬ力量をしっかりと体感させてくれる。

赤に劣らず人気なのが白。樽発酵させているオート・コートの各白は、黄金の色調と新樽の風味が横溢する、たっぷりとした満足度の高いもの。これもオート・コートのテロワールというよりは、まさにジャイエ=ジルの個性を堪能する1本で、畑にはシャルドネ種以外に、ニュイの名ドメーヌ、アンリ・グージュからのピノ・ノワール種の突然変異である白ぶどうピノ・グージュも植わっている。

ジャイエ=ジルの白では最も量が多く、また気軽に愉しめるのがブルゴーニュ・アリゴテだが、これが侮れない。樹齢70年以上のぶどう果を用いるワインは、これがアリゴテ?とおもわず頬が緩むような味わい。新樽が強すぎることもなく、厚みある果実にアリゴテ本来のしっかりした酸が心地よくバランスし、ブラインドでテイスティングするとブルゴーニュ・シャルドネのレヴェルもはるかに超え、まさにムルソーといった趣。価格を考えるとたいへんカリテ・プリな仕上がりの白で、このアリゴテに根強いファンがいるのもおおいに肯ける1本。

あまり目立たぬオート・コートからアリゴテ、パストゥグランなど気軽に愉しめるアペラシオンまで驚くほど高水準のワインを生むジャイエ=ジル。つくり手の個性をいい意味で愉しめるドメーヌである。


2008 Bourgogne Passetoutgrain
ブルゴーニュ パストゥーグラン 750ml  
《赤》【ミディアムボディ】
葡萄品種:ガメイ、ピノ ノワール

新樽使いのジャイエ・ジルにしては例外的に、樽をまったく使用しないワインがこのパストゥグラン。
セメントタンクの中で18ヶ月間熟成させる。
赤い果実のフレーバーが素直に感じられ、チャーミングな味わい。


         2,700円(本体価格2,500円)


ごめんなさい、只今品切れ中(2018年2月8日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。











2011 Bourgogne Hautes­Côtes de Beaune Blanc

ブルゴーニュ オート コート ド ボーヌ ブラン 750ml 
《白》【辛口】
葡萄品種:シャルドネ

新樽50%にしては樽香がよく抑えられている。
オート・コート・ド・ニュイに比べてふくよかなスタイルで、あちらがピュリニー的とすればこちらはムルソー的。
2010年はシャルドネの成熟が不十分だったため、ピノ・ブランの比率が85%まで高まっている

        6,050円(本体価格5,500円)


ごめんなさい、只今品切れ中(2022年1月16日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。












2011 Bourgogne Hautes­Côtes de Beaune Rouge

ブルゴーニュ オート コート ド ボーヌ ルージュ 750ml 
《赤》【ミディアムボディ】
葡萄品種:ピノ ノワール

新樽100%で熟成させた、数少ないオート・コート・ド・ボーヌ。ブドウの成熟度に自信がなければできない芸当だ。
同じ造りをするオート・コート・ド・ニュイと比べていくぶん繊細で、小気味よい酸が感じられ、タンニンは穏やか。

      6,380円(本体価格5,800円)


ごめんなさい、只今品切れ中(2020年2月18日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。