ワインショップ飛附屋トップフランスワイン・ロワール河流域ロワール河流域

【Domaines des Aubuisieres:ドメーヌ・デ・ゾビュイジエール】

ディディエ・ダグノー,フランソワ&パスカル・コタと完全同格の

ロバート・パーカー五つ星ドメーヌが造る

≪シレックス≫という名のヴーヴレ!

Domaine des Aubuisieres

ドメーヌ・デ・ゾビュイジエール

「全世界の白ワインの中で,もしこれ以上に価格と品質のバランスが優れた

ワインがあるなら是非教えて欲しい!」 ロバート・パーカー談

ヴーヴレのトップ生産者としてすぐに名前が挙がるのがドメーヌ・ユエとクロ・ノーダン(フィリップ・フォロー)。しかし,日本ではあまり知られていないが,この2人に並び,今,最高峰ドメーヌとして広く認知されている蔵元がある。Bernard Fouquetベルナール・フーケが現当主を務めるDomaine des Aubuisieresドメーヌ・デ・ゾビュイジエールだ。200810月に発売されたロバート・パーカーの最新のワインバイヤーズ・ガイド第7版においても,このドメーヌ・デ・ゾビュイジエールはロワールの生産者として,ディディエ・ダグノー,フランソワ&パスカル・コタと完全同格の五つ星に格付けされている。しかも「全世界の白ワインの中で,もしこれ以上に価格と質のバランスが優れたワインがあるなら是非教えて欲しい!」とまで絶賛されているのである。欧米で大人気を博しているドメーヌ。ご期待下さい!

ドメーヌ名:      Domaines des Aubuisieresドメーヌ・デ・ゾビュイジエール
当主:            Bernard Fouquetベルナール・フーケ
栽培面積:     25ヘクタール(7つの区画に点在している。)
栽培品種:     シュナン・ブラン100%
土壌:            粘土石灰質土壌と粘土ケイ素(シレックス)土壌
区画:            Le Marignyル・マリニィ,Le Bouchetル・ブーシェ,Le Plan de Jeanル・プラン・ド・ジャン,
                     Le Clos de L'Auberdiere ル・クロ・ド・ロベルディエール,Les Girardieresレ・ジラディエール,
                     Les Perruchesレ・ペリュシュ,Les Chairs Saleesレ・シェール・サレ
栽培方法:     全ての畑で恒常的に下草を生やし,リュット・レゾネを実践している。
醸造:            手摘みで収穫した葡萄をダイレクト・プレスした後,果汁の酸化を避け,二酸化硫黄の添加量を少なくするために,不活性炭酸ガスを充満させたタンクに入れデブルバージュ(前清澄)を行なう。その後,キュヴェに応じて温度管理機能付きのステンレスタンクもしくは容量400リットルのオークの大樽で発酵を行う。セックのキュヴェ<Le Marignyル・マリニィ>とモワルーの全てのキュヴェは容量400リットルのオークの大樽で,その他のセックのキュヴェとドゥミ・セック,スパークリングワイン向けのキュヴェは全て温度管理機能付きのステンレスタンクで発酵を行う。発酵終了後,引き続き発酵と同じ容器で,シュール・リーの状態で熟成させる。セックのキュヴェに関しては,ステンレスタンクで熟成させているキュヴェには定期的にルモンタージュを,樽で熟成させているキュヴェには定期的にバトナージュを施す。


「良質なヴーヴレを造るためにはいかなる秘密のレシピーもない。」ベルナール・フーケは慎み深く説明する。「ただ葡萄畑で仕事をすればいいだけだ。なぜなら,それがトゥーレーヌ地方の気まぐれな天気や自然が仕掛ける罠から逃れ,素晴らしい収穫葡萄を醸造所に持ち込むことができる唯一の方法だからだ。」

葡萄栽培にフーケが払う注意は彼の言葉を強固にするものだ。なぜなら,ドメーヌのセラーから出荷されるヴーヴレの全てが非の打ちどころのないものだからだ。

フーケの父は,ドメーヌの畑の穂木に使え,副収入をもたらす苗床を所有していた。しかし,ベルナールは苗木には関心がなく,ワインを造ることが先決だった。彼は自分で開拓するための畑を探し,購入した。また,畑の近くに醸造所も借りるチャンスに恵まれた。醸造設備を備えた後,高校卒業後に習得した葡萄栽培と醸造学を実践に移すため,彼は1982年から自身のワイン造りを始めた。しかし,当時は大部分をバルクで売却していた。

1988年,ドメーヌ元詰めのワインの販売に踏み切った。今現在も顧客である英国の著名なワインショップのチェーン店がその年に早速彼に注文をした。その後,1988,1989,1990ヴィンテージの彼のワインに関する魅力的な賛辞のコメントがメディアに掲載されると,ドメーヌの電話が鳴り止まなくなった。英国以外の海外のインポーターも彼のワインを購入し始めた。雪だるま式に顧客が増加して行った。現在,彼の父は完全に引退し,ベルナール・フーケは家族所有する醸造所に移り,仕事を続けている。

成功は彼の習慣を大きくは変えなかった。彼は畑の人であり続け,先端技術に懐疑的であった。「技術に頼ることは安易過ぎることである。畑や醸造所で何らかの仕事の決定をする際に,自分自身の観察力を信じず,コンピューターを信じる造り手は失敗を覚悟しなければならない。葡萄栽培家の基本たる仕事は偉大な葡萄を育てることである。」フーケはこう強調する。

葡萄果汁が凝縮していればいるほど,より簡単に良いワインを造ることができる。だから,難しいことではあるが,収穫を何度にも分け,選別的に葡萄を収穫することが大切なのである。また,ヴーヴレの造り手は機敏な適合力を持っていなければならない。なぜなら,ヴーヴレの天候は非常に変わりやすく,数日の間で,ワインがセックになるか,ドゥミ・セックになるか,あるいはモワルーになるか決まってしまうからである。

ル・マリニィはヴーヴレ村の最上の粘土石灰土壌の区画。この区画の葡萄は,条件が揃えば,素晴らしい葡萄をフーケに与え,彼は偉大な甘口ワインを造りだすことができる。傑出した1996年物は,ドライフルーツと蜂蜜や香辛料などの香りが支配的。口中には,完璧な酸と白亜質のミネラルの要素に支えられたボトリティスの凝縮した甘さがある。ル・マリニィは,フィネスとハーモニーの崇高な証明である。ワインは単体で味わうか,あるいはモリーユ茸のトゥルトやコース産のブルーチーズと一緒に味わいたい。








2022 Vouvray Sec “Cuvée de Silex”

ヴーヴレ セック“キュヴェ ド シレックス” 750ml  
《白》【辛口】
品種:シュナン・ブラン100%

スタンダード・キュヴェでありながら過去9年の間に6度のパーカーポイント90点超えを成し遂げた驚愕のコストパフォーマンスワイン。
シレックス土壌であるLes Girardieresレ・ジラルディエール,Les Perruchesレ・ペリュシュ,Les Chairs Saleesレ・シェール・サレの3つの区画で栽培された葡萄のアッサンブラージュから造られる。
手摘みで収穫した葡萄をダイレクト・プレスした後,果汁の酸化を避け,二酸化硫黄の添加量を少なくするために,不活性炭酸ガスを充満させたタンクに入れデブルバージュ(前清澄)を行なう。
その後,キュヴェに応じて温度管理機能付きのステンレスタンクで発酵を行う。発酵終了後,引き続きステンレスタンクでシュール・リーの状態で定期的にルモンタージュを行いながら熟成させる。
マロラクティック発酵は行わず,収穫の翌年の2月に瓶詰め。
アペリティフとしてお召し上がり下さい。あるいはハムやソーセージなどの豚肉加工品や,ソースを添えた甲殻類や魚の料理,山羊のチーズなどと一緒に召し上がると良いでしょう。

      4,950円(本体価格4,500円)






【ワイン・アドヴォケイト掲載のコメント】
キュヴェ・ド・シレックス2010 90点(ワイン・アドヴォケイト196号/2011年8月号)
手頃な価格の素晴らしい辛口のヴーヴレ。2010年のシレックスは芳醇で花のような魅惑的な香りを発散する。ミディアム・ボディで,さわやかでピュアな風味に,火打ち石のような魅力的な個性が加わっている。やや残糖分があるが,良好な酸のおかげで,その構成要素が消されている。向こう1〜2年は楽しむことができる。

キュヴェ・ド・シレックス2009 90点(ワイン・アドヴォケイト190号/2010年8月号)
フーケのヴーヴレ・シレックスの2009は,控えめだが,微妙に顕著で,ワインを支えている残糖とともに,間違いなく,多くの造り手が「柔らかな辛口」と形容する特徴となった。彼の単一区画は,ジラディエールも豊かな火打ち石の土壌に由来するが,このキュヴェの土壌の起源も名前から明らかである。新鮮なマルメロやペルシャ産のメロン,すいかずらなどの香りが,繊細で絹のようなテクスチャーの口中へと誘う。バランスは完璧で,柑橘類の皮の砂糖漬けの甘酸っぱいヒントとともに,濡れた石のミネラル感が感じられる。フィニッシュにはクエン酸のさわやかさと,しっかりとしたミネラル感が残る。

キュヴェ・ド・シレックス2008 92点(ワイン・アドヴォケイト184号/2009年8月号)
ベルナール・フーケの2008年ヴーヴレ“キュヴェ・ド・シレックス”は10月8日まで収穫されず(潜在アルコール13%),ワインには完熟した果実とボトリティスのヒント,そして1996年を思わせる輝きがある。ライチ,イエロー・チェリー,ミラベル,マルメロ,スイセンの香りに続き,ムスクのような,微かにオイリーで石灰を感じる,蜂蜜漬けのような印象ながら,鋭く強烈な味わいが現れる。この濃厚さと明白に高い抽出物にシュナンだけが(中央ロワールだけでもある)持つ鋭さと快活さを併せ持つ。6グラムの残糖は長く続くフィニッシュに黄色い果実と蜂蜜のヒントを美しく解き放つ。この恐ろしく凝縮しながらもエレガントなワインは最低6年熟成させる価値がある。

キュヴェ・ド・シレックス2007 90点(ワイン・アドヴォケイト178号/2008年8月号)
ベルナール・フーケは2007ヴィンテージの困難を乗り越えた結果,キュヴェ・ド・シレックス2007は傑作の2005年物に並んでも見劣りしない出来となった。このかなりドライなヴーヴレは,ムスクのような苦甘い水仙を想わせる花のノートと新鮮なマルメロ,モスボール(虫除け玉)のほのかな香りを持つ。爽快なほど快活で,塩味や石灰,柑橘果実の皮のような苦味も有するが,透明感や2002ヴィンテージのワインが持つ,押し寄せるような気迫ある味わいに欠ける。しかし,余韻は素晴らしく長い。今後2,3年は楽しめる。ちなみに,2007ヴィンテージにはスクリュー・キャップが用いられている。

キュヴェ・ド・シレックス2005 93点(ワイン・アドヴォケイト172号/2007年8月号)
フーケのヴーヴレ・キュヴェ・シレックス2005はフジウツギや白スグリのゼリー,レモンの種,ミントの生き生きした香りを持つ。口中では香りそのままの印象の後に,花の芳香や岩塩のミネラル感が押し寄せ,極度の鋭さと複雑さ,そして神秘的なバランスと説得力のあるメッセージと相まって,飲む者の気持ちも舌もリフレッシュさせてくれる。(ところで,たった5mgの残糖につき過去のリリースよりかなりドライに仕上がっているが,フーケは,ミネラルが輝きを放ち,このヴィンテージが持つふくよかな特質に補完するレベルにまでワインを押し上げた。)もし全世界の白ワインの中で,これ以上に価格と品質のバランスが優れたワインがあるなら是非教えて欲しい。
今,ベルナール・フーケはステンレスタンクを主に用いて造った彼のユニークなヴーヴレの質をフォローやユエが位置するトップレベルまで引き上げている。それは世界中のどの白ワイン生産者にも難しい挑戦と言えることである。しかもこの絶対的なコストパフォーマンスで挑みをかけたのだ。彼の最近の出来は彼の出現を確かなものにしている。

キュヴェ・ド・シレックス 2002 91点(ワイン・アドヴォケイト154号/2004年8月号)
とびきりお値打ちのこのワインは,ロワール2002年物の最上品が到達する比類のない濃厚さとフレッシュさを備えたアロマを放っている。石灰や白い果物の強い香りは,液化した石灰,りんご,シロップをかけた火打ち石,レモングラス,スパイスが詰まった,深く強烈なミディアム・ボディの味わいに繋がり,最高に長いフィニッシュへと続く。この複雑でサテンのような質感のワインは今後5,6年楽しめる。

【インターナショナル・ワインセラー,2010年5/6月号掲載のコメント】
キュヴェ・ド・シレックス2008 90点(2010年5/6月掲載のコメント)
緑のヒントと明るいゴールドの色合い。梨,ピーチ,花のような蜂蜜とミントの香りが感じられる。みずみずしく優しい甘い果物の種とメロンのフレーバーが,豊かなハーブとビターオレンジのエッセンスによって引き立っている。甘さとたくましさがうまく融合し,フィニッシュは素晴らしい透明感とともに,まとわりつくようなオレンジピールのノートが残る。私なら,魚やチキンを使った辛過ぎないタイ料理にこのワインを合わせたい。

キュヴェ・ド・シレックス1997 92点(1998年11/12月号掲載)
純朴で、春の花やスイカズラ、ミント、タラゴン、カンゾウの香りに満ちている。美しく、微かに甘い花や洋ナシのようなフレーヴァーは、純粋で、明瞭で凝縮感があり、調和の取れた酸に支えられている。とても柔らかく、丸みのあるヴーヴレで、このヴィンテージの果実の熟れや味の深みを捉えている。フィニッシュはとてもドライで、鋭く、かなり長い。


【ワイン・スペクテーター掲載のコメント】
キュヴェ・ド・シレックス2011 88点(2012年12月)
フレッシュなメロンやジンジャー、グリーンアーモンドのノートで、フィニッシュはフローラルさを伴う酸味がある。かわいらしいワイン。今から2013年が飲み頃。

キュヴェ・ド・シレックス2010 88点(2011年10月)
純粋で飾りがなく、青りんごや梨、カットしたライムのジューシーでフレッシュな香り。心地よいフィニッシュ。飲み頃のワイン。

キュヴェ・ド・シレックス2008 89点(2009年12月)
フレッシュで飾りのないワイン。ホワイトピーチ、オレンジブロッサム、グリーンアーモンドのノートで心地よいミネラルに縁取られる。今から2010年までが飲み頃。





2021 Vouvray Sec “Le Marigny”

ヴーヴレ セック “ル マリニィ” 750ml  
《白》【辛口】
品種:シュナン・ブラン100%

ドメーヌが所有する粘土石灰質の最高区画であるLe Marignyル・マリニィで栽培された葡萄100%から造られる樽発酵・樽熟成のハイグレード・キュヴェ。

手摘みで収穫した葡萄をダイレクト・プレスした後,果汁の酸化を避け,二酸化硫黄の添加量を少なくするために,不活性炭酸ガスを充満させたタンクに入れデブルバージュ(前清澄)を行なう。
その後,容量400リットルのバリック100%(新樽比率1/3)で発酵を行う。発酵終了後,引き続きバリックでシュール・リーの状態で定期的にルモンタージュを行いながら熟成させる。
マロラクティック発酵は行わず,収穫の翌年の初夏に瓶詰め。
グリエした魚料理,ソースを添えた甲骨類や魚の料理と良く合うでしょう。

       6,050円(本体価格5,500円)





【ジェームス・ターンブル「=フランスの最も偉大なワイン」に掲載されたコメント】
ル・マリニィはヴーヴレ村の最上の粘土石灰土壌の区画。この区画の葡萄は,条件が揃えば,素晴らしい葡萄をフーケに与え,彼は偉大な甘口ワインを造りだすことができる。傑出した1996年物は,ドライフルーツと蜂蜜や香辛料などの香りが支配的。口中には,完璧な酸と白亜質のミネラルの要素に支えられたボトリティスの凝縮した甘さがある。ル・マリニィは,フィネスとハーモニーの崇高な証明である。ワインは単体で味わうか,あるいはモリーユ茸のトゥルトやコース産のブルーチーズと一緒に味わいたい。

【ワイン・アドヴォケイト掲載のコメント】
ル・マリニィ2009 88点(ワイン・アドヴォケイト190号/2010年8月号)
ジャコウやグレープフルーツの皮の香り。アルカリ、塩、牡蠣、湿った石などミネラルを存分に感じる。フィニッシュは非常に粘性があるが、重すぎない。一概には言えないが、フーケの同じヴィンテージのワインのように、少し残糖分があると良かったかもしれない。辛口ワインを提供しなければならなかったのだろうが、数年後に実現したい。

【インターナショナル・ワインセラー,2010年5/6月号掲載のコメント】
ル・マリニィ2007 88点
明るい黄金色。果物の種やスパイスのヒントと共に,梨,蜂蜜,ミネラルと花の香りが感じられる。上品に濃縮されていて絹のよう,程よい甘さと,石のような硬さが,そのしなやかな果樹園と果物の種の風味をしっかりと支えている。フィニッシュには,素晴らしい石のような切れ味と,スパイシーな余韻が感じられる。





2014 Vouvray Demi­Sec“Les Girardières”

ヴーヴレ ドゥミ セック “レ ジラディエール” 750ml  
《白》【やや辛口】
品種:シュナン・ブラン100%

同名のシレックス土壌の区画の葡萄から生まれるドゥミ・セックのスタンダード・キュヴェ。こちらも過去5年の間に4度パーカーポイント90点以上を獲得した実績を持つ。
手摘みで収穫した葡萄をダイレクト・プレスした後,果汁の酸化を避け,二酸化硫黄の添加量を少なくするために,不活性炭酸ガスを充満させたタンクに入れデブルバージュ(前清澄)を行なう。
その後,キュヴェに応じて温度管理機能付きのステンレスタンクで発酵を行う。発酵終了後,引き続きステンレスタンクでシュール・リーの状態で定期的にルモンタージュを行いながら熟成させる。
マロラクティック発酵は行わず,収穫の翌年の2月に瓶詰め。
アペリティフとして最適です。フォワ・グラやソースを添えた魚料理,白身肉の料理,山羊のチーズ,ブルーチーズなどと合わせても良いでしょう。

      3,740円(本体価格3,400円)

ごめんなさい、只今品切れ中(2020年6月7日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。




【ワイン・アドヴォケイト掲載のコメント】
ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”2009 90点(ワイン・アドヴォケイト190号/2010年8月号)
ヴーヴレ・ドゥミ・セック・レ・レ・ジラディエール2009は,水仙やライムのコンフィ,グレープフルーツ,オレンジ,次にナッツ・オイルと煎じた蜂蜜などの忘れ難い香りを備えている。苦甘くピリッとした上品でオイリーな味わいのテクスチャー。種のある果物や苦味のある柑橘系果物の皮,アルカリや塩味を感じるミネラルがフィニッシュに感じられる。

ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”2008 91点(ワイン・アドヴォケイト184号/2009年8月号)
フーケのドゥミ・セック,2008年ヴーヴレ・キュヴェ・ジラルディエールはマルメロ,ミラベル,白桃,アーモンド,フジウツギ,ローズマリーの混交の千変万化する香りを備える。有り余るほどフルーティで豪華だが,根底にあるグレープ・フルーツとライムのおかげで快活さもあり,完璧なバランスを見せるこのワインの26グラムという残糖をほとんど感じることはない。2007ヴィンテージからかなりの進歩を遂げている。このピュアで魅惑的なヴーヴレは,ただほんの僅かに透明感と辛口のシレックスが持つ気迫に欠ける。

ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”2007 90点(ワイン・アドヴォケイト178号/2008年8月号)
2007ヴィンテージはマルメロのゼリー,オレンジの皮の飴,そしてリリーの香りを持つ。明らかに甘味が強いが,クリーミーさと酵母による泡のような質感が並んで互いに強調し合い,柑橘果実の苦味と輝きを放ち,マルメロのゼリーや表面にオレンジ・マーマレイドを塗ったライム・メレンゲ・パイを想わせるフィニッシュへと続く。私なら今後2,3年で楽しむように予定を立てるが,この苦味が前面に出るようなことがなければ,その後も魅力的であり続けるだろう。ちなみに,この2007年物にはスクリュー・キャップが用いられている。

ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”2005 90点(ワイン・アドヴォケイト172号/2007年8月号)
Demi Sec les Girardieres 2005はプラム,ハーブや花の蒸留液,アーモンド・ペースト,そしてアニスの香りを備える。キュヴェ・シレックスの後に飲むと顕著に甘味を感じ,豪華なプラムの味わいに蜂蜜,アーモンド,アニスがクリーミーで落ち着いたフィニッシュまで続く。

【ワイン・スペクテーター掲載のコメント】
ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”2011 87点(2012年12月15日掲載)
半辛口の豊かなワイン。メロンクリームや白イチジク、梨のノートがあり、フィニッシュまで僅かに残る。今が飲み頃で親しみやすいワイン。

【インターナショナル・ワインセラー,1998年11/12月号掲載のコメント】
ドゥミ・セック “レ・ジラルディエール”1997 92点
蜂蜜や春の花,ミントの香り。スタイルはドゥミ・セックだが,美しく氷のように冷たい酸がフレッシュな印象を保ち,最高級の桃のような糖と酸のバランスを備える。とても飲みやすいワインで,既にかなり魅力的。フィニッシュは爆発的で永続的な果実味とほこりっぽい印象がある。非の打ち所がないほど純粋で果実味に溢れたワイン。