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エドモン ビュルルは2004 年10 月に他界しました。エドモンには3 人の息子がおり、次男フローランと三男ダミアンがドメーヌを継ぎました。フローランは‘95年から畑作業を中心に、ダミアンは’97年から醸造を中心に働いていました。2人が相続したドメーヌの畑は、A.C.ローヌが5ha、ヴァケラスが1.1ha、ジゴンダスが0.8haです。残念ながらエドモンが亡くなってからワインの品質は低下し、インポーターにても‘04
年はジゴンダスしか購入しませんでした。このことが2人に危機感を与え、また家を出ていた長男ベルナールも彼らのことが気がかりで、2人に畑の管理方法を教えるなど、3
人でビュルルのワインを復活させることに取り組みました。エドモンの時代もやっていなかったグリーンハーベストや剪定等もおこない、その結果’05 年はエドモン以上の品質となりました。‘06
年に訪問して、フローランとダミアンの、「父の個性は尊重しているし、目指している所は一緒だと思うが、父とは違う個性を発揮したい。」と目を輝かし生き生きと語る言葉に、自分達のやり方で個性を確立しつつあることを感じました。彼らのこだわりを持った葡萄造りのポイントは、以下の通りです。
畑の土を耕し、地中深くまで葡萄の根が伸びるようにして、乾燥への耐久性を高め、深層部から養分を吸収するようにする。鍬入れをすることで微生物の数を減らすことなく、土壌の通気を良くすることが出来る。化学肥料は一切使用せず、潰した葡萄の枝などを使用したオーガニックの堆肥を撒く。
カビ等の病害対策にはボルドー液と硫黄だけを使う。剪定は、結果母枝に5 芽を残し、翌年のために2芽を持つ予備枝を残す。葡萄の葉がよく育ち、風通しがよくなるように葡萄樹を高めに仕立てる。光合成を行い、糖分を生成する器官である葉を育てることで葡萄の実が最大限に熟し、また風通しをよくして湿気による腐敗を防ぐ。5
月にエパンプラージュ(胴吹きした芽を取り除く作業)、8 月の終わりにグリーンハーベストを行う。日当たりの悪い場所についている葡萄は完熟しないので取り除く。また、収穫を制限して品質の高い葡萄を育てる。
(2008年4月)
フローラン(写真左)、ダミアン(写真右)
2016年ヴィンテージについて
夏に雨がほとんど降らず(収穫前も8月に少量降ったが十分ではなかったため)、とても乾燥しました。
実が小さくなった分得られる果汁が少なくなり、収量は5〜10%減りましたが、2015年よりも集約感があります。
2016ヴィンテージはまさに「FANTASTIC VINTAGE!!」
ビッグヴィンテージの2007年(天候が素晴らしい)や2010年(暑かった年)の中間のイメージです。
酸とPHが2010年に近く、長期熟成向きとのことです。
2015年ヴィンテージについて
2015年はグレートヴィンテージ。2014年と比べると集約感があります。
実をたくさんつけたので、間引きをして不必要な房はカットしました。
アルコール型拡張期熟成できる可能性があるヴィンテージです。
2014年ヴィンテージについて
シラーは通常早く完熟しますが、2014年は他の品種と同じタイミングになりました。
収穫の順番は、通年シラー、グルナッシュ、マルセロン、カラドックの順でした。
サブレ、ラストー、ヴァケラス、ジゴンダスにとっては収穫量もワインの質も良い年でした。
FC−963 2022 Le Blanc Viognier
ル ブラン ヴィオニエ 750ml
《白》【辛口】生産地:フランス ローヌ
等級:V.d.P. ド ヴォークリューズ
生産者:ドメーヌ フォン サラド
葡萄品種:ヴィオニエ100%
熟成:ステンレスタンクで4〜5ヶ月
ヴィオニエの個性的な香りが特徴です。ミネラル感と洋ナシ、白桃の香り、味わい は凝縮感が高く、余韻の長いワインです。
畑の土壌は、川からの堆積物である砂利 とシルトです。早朝に収穫し、収穫量は、33〜40hL/ha です。
圧搾し、冷却装置の 付いたステンレスタンクに入れて、発酵前に 4〜5 度で、24 時間かけて不純物を沈 殿させます。
その後 14 度で 3 週間発酵させ、途中でバトナージュします。
酸が多 くないので、フレッシュさを生かすためマロラクティック発酵はさせません。
ステ ンレスタンクで 4〜5 ヶ月熟成させます。
フレッシュさをキープするため、早めに 瓶詰めします。
2,640円(本体価格2,400円)
FB−417 2021 Vin de Pays de Vaucluse
ヴァン ド ペイ ド ヴォークリューズ 750ml
《赤》【ミディアムボディ】生産者:EARL フォン サラド(ベルナール ビュルル)
葡萄品種:シラー、メルロ、グルナッシュ(各1/3)
ベルナール ビュルルは、亡きエドモン ビュルルの長男で、現在は義父のドメーヌを相続してワイン造りをしています。
ヴァケラスやジゴンダス、ヴァントゥで10 本の指に入ると自負しています。ヴァケラスのレストランでは、サン デ カイユー等と変わらない価格でオンリストされていました。
また、アペラシオン ヴァケラスの審査員もしています。シラーはジゴンダス、メルロはヴァントゥ、グルナッシュはヴァケラスの地区の葡萄から造られます。
時代のニーズを考慮して、スムーズで飲みやすいスタイルを目指して造られています。
このクラスのワインでも、作柄が良くない年は、バルクで売ってしまいます。例えば、2008 年はすべて売ってしまったそうです。
スモーキーでビターな樽香。フィニッシュで豊かな果実味があるのでアルコールは気になりません。ラベルに書かれたLe Cadet de Font Sarade は、 「フォン サラドの末っ子」という意味です。
1,760円(本体価格1,600円)
FB-292 2019 Vin de Pays de Vaucluse
ヴァン ド ペイ ド ヴォークリューズ 750ml
《赤》【フルボディ】生産者:E.A.R.L.ビュルル
:フランス/コート デュ ローヌ
葡萄品種:グルナッシュ 40%、マルスラン 25%、カラドック 25%、シラー10%
熟成:コンクリートタンクで 12 ヶ月
紫がかった輝きのあるルビーレッド。熟したプラムやカシスの華やかな香りがあります。
口当りは滑らかで凝縮され た果実味とスパイスが感じられます。果実味に負けないしっかりとしたタンニンのパワフルなワインです。
畑はヴィオレスとサブレの川の近くの V.d.P.エリアです。
ジゴンダス村の南で、土壌は粘土と石灰岩です。収穫量の 規定は 90hL/ha 以下ですが、半分の 45hL/ha に抑えています。
コンクリートタンクで 10 日間発酵させ、12 ヶ月熟 成させます。ろ過も清澄もしません。
1,540円(本体価格1,400円)
FB−292は、只今品切れ中(2024年3月28日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さい。
FB−294 2007 Côtes du Ventoux
コート デュ ヴァントゥー 750ml
赤》【フルボディ】生産者:ドメーヌ フォン サラド(ベルナール ビュルル)
葡萄品種:シラー(60%・1960年植樹)、グルナッシュ(40%・1968年植樹)
ベルナール ビュルルは、故エドモン ビュルルの長男です。ドメーヌ フォン サラドは、ヴァケラスの北のポンシュの高台に位置し、1936 年にルネ
ドヴィネによって創設されました。
生産するワインは、ヴァケラス、ヴァケラス C.P.、コート デュ ヴァントゥー、コート デュローヌ、ヴァン ド ターブル ブランです。
ベルナールは、ワイン造りのアドヴァイスをするために、次男と三男の元を訪れます
彼の造るワインの評価は高く、‘07年のコート デュ ローヌ キュヴェ エゴイストが2ッ星、‘07年のヴァケラスが「ワインアドヴォケイト」で90 点、「インターナショナルワインセラー」で89 点等を獲得しています。
土壌は、砂と粘土です。収穫量は40hl/ha、収穫は手摘みです。
グルナッシュは通常の造り方ですが、シラーはアロマを抽出するために、4日間10〜14℃でコールド マセラシオンを行ないます。
コンクリートタンクで12日間発酵させ、少しだけファイニングします。南フランスは気温が高いので、温度を低く保てるコンクリートタンクを使用しています。
生き生きとして香り高く、カシスや赤い果実、さらに花のアロマが感じられます。味わいには赤い果実、さらに胡椒が現れます。‘07 年が、「ギイド アシェット2010」で1 ッ星。
1,944円(本体価格1,800円)
FB−294は、只今品切れ中(2015年2月20日)です。次回入荷まで今しばらくお待ちくださいませ。
F-384 2021 Côtes du Rhône Rouge
コート デュ ローヌ ルージュ 750ml
《赤》【フルボディ】
フランス/コート デュ ローヌ
等級:A.O.C.コート デュ ローヌ
葡萄品種:グルナッシュ 70%、シラー30%
熟成:コンクリートタンク、ステンレスタンク
葡萄園面積:8ha
平均樹齢:60年
果実味豊かでコクのある典型的なローヌの味筋を守ったワインです。
スパイシーで凝縮された果実味、心地よいタン ニンがあり、しっかりとした飲み応えのあるワインです。
自然で素朴な印象です。A.O.C.コート デュ ローヌとして は、信じ難いほどの濃密な味わいがあります。
収穫量は 35hL/ha に抑えています。
葡萄は別々に、18 日間ルモンタージュしながらコンクリートタンクで発酵させてからブレンドし、マロラクティック発酵させます。
コンクリートタンクとステンレスタンクで熟成させます。ろ過 も清澄もしません。
2,200円(本体価格2,000円)
2種類の葡萄を一緒に発酵させているので、よく色がでています
FD-053 2022 Vacqueyras La Muse
ヴァケラス ラ ミュズ 750ml
《赤》【フルボディ】
葡萄品種:グルナッシュ(75%)、シラー(25%)
葡萄園面積:4ha
平均樹齢:60年
このヴァケラスは、ビュルルのワインのスタイルを感じさせてくれるワインです。
ラ ミュズとポンシュの区画で、粘土と粘土石灰岩土壌、石だらけのテラスです。
収穫量は30hL/ha。2種の葡萄を混醸します。コンクリートタンクで25日間、毎日ルモンタージュしながら、発酵させます。
コンクリートタンクとステンレスタンクで、12ヶ月熟成させます。
ろ過も清澄もしません。インクのような濃い色、煮詰めた甘いジャムや胡椒のようなスパイシーな香り、
豊かな果実味、質の良いタンニンとたっぷりのボリュームがあります。
3,740円(本体価格3,400円)
「ル ブランと別に、バニラテイストの白ワインを造りたかった」
FC-10 2016 Vacqueyras Blanc Cuvée Le Penchant
ヴァケラス ブラン キュヴェ ル パンシャン 750ml
《白》【辛口】生産地:フランス ローヌ
生産者:ドメーヌ フォン サラド
葡萄品種:ルーサンヌ(40%) 、ヴィオニエ(40%)、クレレット(20%)
葡萄園面積:2ha
平均生産量:3,000 本
`13VTから造り始めたキュヴェです。
畑は粘土質の多いマール土壌です。
`16VTからクレレットを加え、それによりフレッシュさがでています。
収量は32hl/ha、収穫は手摘みで行います。
収穫後、葡萄が酸化しないようドライアイスで温度を低く保ちます。
`16VTは梗まで熟していたので、除梗せず、全房圧搾しました。。
茎が付いていると葡萄の粒が潰れて、よりプレスをしやすくなり、果皮からの成分を抽出しやすくなります。
低温で静置して折を沈めます。全体の80%はステンレスタンクで、残りの20%は新樽で発酵、6ヶ月熟成させています。
清澄、軽くフィルターをかけてボトリングしています。
青リンゴを思わせるピュアなアロマ、非常にフレッシュでありながら、まろやかさも感じられます。
余韻にかすかに感じるほろ苦さが、ワインに複雑さを与えています。
「パンシャン」とは傾斜、斜面の意味です。
3,520円(本体価格3,200円)
`16VTが「ル ギド アシェット デ ヴァン 2018」で2星
「ラ ルヴュ ド ヴァン ド フランス621」で15−16点。
FC−10は、只今品切れ中(2022年11月20日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。
ビュルル家唯一の樽熟成ワイン シラーヴァケラス
FB−320 2021 Vacqueyrs Fûts de Chêne
ヴァケラス フュ ド シェーヌ 750ml
《赤》【フルボディ】生産者:E.A.R.L. ビュルル
葡萄品種:シラー、グルナッシュ 熟成:バリック(2〜3 年樽)2 年間
ヨーロッパの顧客のリクエストがきっかけとなり、’05 年から造る樽熟成のスペシャル キュヴェです。シラーにグルナッシュを数パーセントブレンドし、その一部を樽で2 年間熟成しています
(残りはノーマルのヴァケラスへ)。非常に強いボディ、柔らかな舌触りです。
樽の風味はほのかに感じられ、果実味をさらに引き立てています。ペッパーやハーブの香りが余韻に広がります。ビュルル家のクラシックなスタイルと樽によるモダンスタイルの融合で、ビュルル家の新境地です。
シラーには、ブラックチョコレートが良く合います。タンニンの硬さが消え、フルーティさが前に出るためです。
3,850円(本体価格3,500円)
FB-758 2020 Gigondas Les Pallieroudas
ジゴンダス レ パリエルダス 750ml
《赤》【フルボディ】
フランス/コート デュ ローヌ
等級:A.O.C.ジゴンダス
葡萄品種:グルナッシュ ノワール 85%、ムールヴェードル 15%
熟成:コンクリートタンクで 12 ヶ月
パリエルダス(石灰質粘土土壌)とオート ギャリーグ(砂質粘土土壌)の区 画からのワイン。
標高 150m のエリアからの葡萄で、グルナッシュ ノワール は 1921 年に植えた樹が一番古いものです。
収穫量を 35hL/ha に抑え、除梗 はしません。26 日間コンクリートタンクで発酵させます。
毎日ルモンタージュ します。
コンクリートで 12 ヶ月熟成させます。ろ
過も清澄もしません。
3,960円(本体価格3,600円)
チョコレートとの相性もぴったりです。
ビュルルを一番感じさせてくれる、この生産者を代表する銘柄
FC-98 2016 Gigondas Les Pallieroudas
ジゴンダス レ パリエリダス 1500ml
《赤》【フルボディ】
葡萄品種:グルナッシュ、ムールヴェードル
標高150mのエリアからの葡萄で、
グルナッシュは1921年に植えた樹が一番古いものです。
コンクリートタンクで熟成させます。
濾過も清澄もしません。
色濃く、胡椒のようなスパイシーな香りがあり、
しっかりとしたタンニンのある凝縮したワインです。
9,900円(本体価格9,000円)
限定1本です。
南ローヌの2016年はハイスコアです。→
2種類の葡萄を一緒に発酵させているので、よく色がでています
FC−97 2016 Vacqueras
ヴァケラス 1500ml
《赤》【フルボディ】
葡萄品種:グルナッシュ、シラー
コンクリートタンクで熟成させます。
濾過も清澄もしていません。
インクのような濃い色、煮詰めた甘いジャムや胡椒のようなスパイシーな香り、
豊かな果実味、質の良いタンニンとたっぷりのボリュームがあります。
8,800円(本体価格8,000円)
限定1本です。
畑はジゴンダスで最も高いところにあり、葡萄がゆっくり熟します
FC−99 2016 Gigondas Les Fouilles
ジゴンダス レ フォイユ 1500ml
《赤》【フルボディ】
葡萄品種:グルナッシュ、シラー
2011年にジゴンダスの山の中に購入した畑からのワインです。
ジゴンダス パリエルダスより 10 日程遅く収穫します。
濃い色合い。
タンニンと果実味が、程よいバランスを感じさせます。
まだ若いのですが、今から楽しむことが出来ます。
11,000円(本体価格10,000円)
限定1本です。
樹齢40年以上のグルナッシュ
ジゴンダスの中でも標高が高い場所にある、好条件の畑、生産量は僅か3,000本
FB−571 2012 Gigondas Les Fouilles
ジゴンダス レ フォイユ 750ml
《赤》【フルボディ】等級:A.O.C.
生産者:E.A.R.L. ビュルル
葡萄品種:グルナッシュ(50%)、シラー(50%)
樹齢:グルナッシュ80 年以上
2011 年にジゴンダスの山の中に購入した畑からのワインで、初めてのヴィンテージが入荷しました。
畑は標高300mほどのところにあります(通常の畑は150m位だそうです)。グルナッシュはなんと80年以上の樹齢です。
生産量は、僅か4,000本程です。ラベルには、山のシルエットが描かれています。山のジゴンダスと言えそうです。
濃い色合い。タンニンと果実味が、程よいバランスを感じさせます。まだ若いのですが、今から楽しむことが出来ます。「フォイユ」とは、フランス語で『発掘』という意味です。
4,400円(本体価格4,000円)
フォィユ(Fouilles)とは畑のある場所の名前です。
土壌は粘土質とカイユ(砂利質)土壌です。
通常のジゴンダスよりも、モンミライユ山脈の石が多い畑です。
標高が高く冷涼な気候のため、田野畑家よりもゆっくり熟します。(2週間ほど遅い)。
毎年一部の樹齢の古い樹を新しいものに植え替えています。
近年ジゴンダスの評価が上昇中とのことで、アペラシオンの評価が上がるにつれ、多くの造り手が畑を増やしたいと考えているようです。
好条件の畑の購入が難しくなる中、幸運にもチャンスが巡ってきたため、ビュルル家は2011年にこの畑を購入しました。
近年温暖化の影響で標高が高い畑の方が注目されていますが、標高が高ければ良い畑とは一概に言えません。
標高が他界は武信同派よりフレッシュな果実味を得られます。
一方で、標高が低い畑の葡萄はよりパワフルで集約した果実味が得られることに加え、作業がしやすいという利点もあります。
それぞれにメリットがあり、生産者はその特徴をコントロールして使い分けています。
右がグルナッシュ、左が小川を隔てた場所にあるシラーの畑です。
今まさに変化している、ヴァケラスの新世代のドメーヌ
ドメーヌ フォン サラドは、ヴァケラスの北のポンシュの高台に位置する家族経営のワイナリー です。
オーナーのベルナール ビュルルは、弊社のローヌワインの原点と言える造り手、エドモン ビュルルの長男です。
ベルナールは実家のあるジゴンダスを出て、隣村のヴァケラスにあるフォン サラドを 2002 年に義父から引き継ぎました。
その後の 2004 年にエドモンが他界し、実家のワイ ナリーであるドメーヌ ビュルルが残されましたが、弟たちが後を継いでいます。
ワイナリーはと ても近いため、ベルナールが弟たちにアドバイスをすることもあります。
2015 年には、ベルナールの娘であるクレールがドメーヌに参加し、近年のワイン造りに大きな影 響を与えています。
クレールが参加してからのワインは、南ローヌらしい力強さを持ちながらも、 洗練されたモダンなスタイルに仕上げており、エレガンスを感じさせます。
クレールは 1993 年生 まれで、モンペリエ醸造大学を卒業後、オーストラリアのワイナリーで研修しました。
若いですが 非常にしっかりとしており、私たちが訪問した際には、おしゃべり好きな父とその兄弟たちが大騒 ぎするのを一喝する場面もあるほどです。
聡明で快活な彼女の働きが、フォン サラドのワインを さらに磨きがかかったものにしており、今後も非常に楽しみな造り手と言えます。
ヴァケラスとジゴンダス――2 つのクリュの違いについて
フォン サラドはヴァケラスとジゴンダスの 2 つのクリュからそれぞれワインを手掛けていま す。
ジゴンダスは赤ワインとロゼワインしか生産できませんが、ヴァケラスは赤とロゼに加え 白ワインも生産できます。
どちらも赤ワインの主要品種はグルナッシュで、南ローヌらしい力 強いワインではありますが、
ヴァケラスの方がエレガントで、ジゴンダスの方がパワフルに仕 上がることが多いようです。
「ヴァケラスはシラーを、ジゴンダスはムールヴェードルを多くブレンドしています。ヴァケラスは標高が 68〜254m とそれほど 高くありませんが、様々な要素のバランスが良いワインです。
ジゴンダスは標高が 87〜698m と高く、土壌は粘土が多くなりま す。ワインのスタイルはより丸みがあって重く、アルコールのボリュームも感じられます」
クレールの理想的なワイン造りのためにセラーを新設
2015 年、ベルナールがクレールのために新しいセラーを完成させました。
セラーには 200hl のコンクリートタンクが 16 個、120hl のステンレスタンクが 10 個あります。
以前までは 800hl しか醸造できなかったため、全てのワインを自社で生産できず、他の生 産者へ販売することもありました。
現在は 2 倍以上の 1700hl を醸造できるようになっています。
タンクの内部は合成樹脂でコー ティングされています。タンクの温度管理は手動から自動になったため、とても機能的になりました。
セラー内はとても清潔に保 たれていて、「シルクのような滑らかな肉付きのあるワイン造りを目指している」という言葉通りのワインが出来るのも納得です。
ベルナールがクレールにも触らせないほど気に入っている 「プラン ド デュー キュヴェ エゴイスト」の葡萄畑
ベルナールが学生の頃から好きで好きでたまらず、今もクレールに手伝わせないという、まさに「エ ゴイスト」な畑です。
父エドモンが、いとこの所有していた土地(当時は畑ではなく森でした)を借 り受け、いとこが亡くなった後に貰い受けました。
1971 年、当時はまだ学生だったベルナールが、 父とともに植樹し、初めて管理を任された思い出の畑です。
当初はアペラシオンもない手付かずの土 地でしたが、既にそのポテンシャルを見抜いていたという、偉大な父エドモンの先見の明が良く分り ます。
また、父から相続したベルナールも、シラーだけが植えられていた畑に、もしも AOC に認定 されたらグルナッシュやムールヴェードルが必要になると見越して、それらの品種を植えました。
父 に似て先見の明のあったベルナールを象徴するエピソードといえます。
ビュルル家のワインを合わせるなら「サラミ」! ぜひお試しください
フォン サラドとドメーヌ ビュルル、2 つのビュルル家のワイナリーはヴァケラス村とジゴンダ ス村で隣同士ということもあり、訪問すると 2 軒のドメーヌのワインを一緒に試飲することにな
ります。
ワインの品質をシビアに確認するのですが、彼らも分かっているのか、テイスティング の際に必ず用意してくれるのが「ソシソン(サラミ)」です。
ビュルル家のワインとの相性は抜群 で、美味しすぎてついワインが進んでしまうほど……。
これぞまさにマリアージュ! サラミの 他、テリーヌや肉料理との相性ももちろんおすすめです。
《果実のボリューム、なめらかなタンニンがあります。プラン ド ディユーについての父と子の興味深いエピソードも。》
FB−522 2019 Plan de Dieu
プラン ド ディユー 750ml
《赤》【フルボディ】 生産者:ドメーヌ フォン サラド(ベルナール ビュルル)
栽培品種:グルナッシュ(60%)、ムールヴェードル(40%)
樹齢:40 年(1971 年植樹)
葡萄畑:ヴィオレス村に位置するプラン デ ディユーの丘に1ha。単一の区画。
土壌:大きな砂利が主体の構成 植密度:4,000 本/ha、1 本の葡萄樹に8 房
収穫量:40h/ha、規定では45。
生産量:4,500 本
熟成:タンクで12 ヶ月間
テイスティング:濃い紫色。プラムを思わせるアロマ、バランスがよくしっかりとした骨格があります。
2,310円(本体価格2,100円)
エピソード:父エドモンから相続した畑です。エドモンは、いとこが所有していた当時まだ森だった土地を借り受けました。その後、いとこが亡くなり、貰い受けました。
当時はアペラシオンもない手付かずの土地だったのですが、既にそのポテンシャルを見抜いていたという偉大な父エドモンのエピソードです。
また、ベルナールも、シラーしか植えられていなかった畑に、A.O.C.になったらグルナッシュやムールヴェードルが必要になるであろうことを見越して、それらの品種を植えました。
こちらは、ベルナールの目利きぶりを示すエピソードです。
FB−522は、只今品切れ中(2024年11月16日)です。次回入荷まで今しばらくお待ち下さいませ。
《スパイシィでパワフルな香りと風味。噛めるようなタンニン。さすが、ジゴンダス!》
FB−524 2020 Gigondas Cuvée Les Pigières
ジゴンダス キュヴェ レ ピジェール 750ml
《赤》【フルボディ】 生産者:ドメーヌ フォン サラド(ベルナール ビュルル)
葡萄品種:グルナッシュ(60%)、ムールヴェードル(35%)、シラー(5%)
仕立て:ゴブレ、1 本の樹に5 房
平均樹齢:60 年、最も古いものは80 年
収穫量:35hl/ha
葡萄畑:標高200mの丘、ジゴンダス村のレ ピジェールと呼ばれる1 つの区画、1.25ha。
土壌:下層土に粘土を持つ、痩せた石灰質マール(泥灰)土壌
熟成:タンクで12 ヶ月間 生産量:5,500 本
4,400円(本体価格4,000円)
テイスティング:濃く深みのある赤色。スパイシーで熟した香り。パワフルなフレイバーがあり、余韻は長い。
評価:「インターナショナルワインセラー160」で88(+?)点、「ル メイユール ヴァン ア プティ プリ2013」で16 点。
〜インクのような紫色。ダークチェリーやカシスにスモークした肉のニュアンスが混ざるアロマは、空気に触れるにつれて強くなる。ビターチェリーやダークベリーのフレイバーは十分な深みがあるが、余韻に感じる噛み応えのあるタンニンはすこし硬さが残る。いつまでも続くチェリーやエスプレッソのノート、たっぷりのパワーを持つがこのワインはまだまだ赤ん坊だ。
88(+?)点 「インターナショナルワインセラー 2012 年1-2 月」〜
《樽の風味がポイントです。「ワイン アドヴォケイト」で 91+点 を獲得しました。》
FB−523 2010 Vacqueyras Cuvée Prestige
ヴァケラス キュヴェ プレスティージュ 750ml
《赤》【フルボディ】
生産者:ドメーヌ フォン サラド(ベルナール ビュルル)
葡萄品種:グルナッシュ(50%)、シラー(50%)
葡萄畑:ヴァケラス、標高150mのなだらかな斜面に位置する0.7ha。14 箇所の区画に分かれている。
土壌:下層土に粘土を含むマール(泥灰土)。
仕立て:コルドン ロワイヤ、1 本の樹に6 房残す。
平均樹齢:40 年(最も古いもので60 年)
生産量:2,000 本
熟成:1 年、2 年、3 年樽に入れマロラクティック発酵を行い、12 ヶ月熟成させる。樽はアリエ産のもの。
3,850円(本体価格3,500円)
テイスティング:ダークルビー色。ブラックベリーのアロマ。しっかりとしたボディと骨格。持続性がある。
評価:「ワイン アドヴォケイト203」で91+点、
〜 2010 年のヴァケラス キュヴェ プレスティージュは、ほとんど同じ比率でシラー、グルナッシュをブレンド、タンクとオーク樽で熟成。しっかりとしたタンニンと骨格がある。この抑制の効いた、控えめな2010
年は熟成の可能性がある。インクのような紫色。非常に集約されており、クレーム ド カシス、ブラックベリー、樟脳(カンフル)、そしてトリュフの香りの後ろから、スパイスボックスやオーク樽のニュアンスが感じられる。2~3
年寝かせるべき、少なくともこの先10 年は楽に熟成できるだろう。 91 点+ 「ワイン アドヴォケイト 203」〜